HSCの生活

社会性がない?3歳児健診で大号泣する娘を見た医師の意見から見えたこととは?

超敏感なHSCとの3歳児健診が、予想通り大変だったので書きたいと思います。

私たちの住む市では3歳半の時に集団健診があります。

親子ともにクタクタになったのですが、HSC(繊細で敏感な子)を育てていく親として、良い意味でも学べることがありました。

健診に行く前の心の準備

とても敏感で集団の中にいるとすぐに不安になる娘にとって、集団健診は苦痛でしかないだろうということは簡単に想像できました。

どんな検査をするのか、何を聞かれるのか、時間はどれくらいかかるのか、同じ市に住む先輩ママに聞いて頭の中でシミュレーションしました。

でもどんなに考えても「いやこれ無理だわ!」と思いました。

人が大勢いる場所に行くだけでもいっぱいいっぱいになるのにさらに健診なんて、敏感ですぐに疲れてしまう3歳の娘にとっては無謀すぎるのです。

準備できることなんてほとんどありませんでしたが、何を言われても娘を守ろうという覚悟だけはして行きました。

HSCを育てている方は、この覚悟の意味を理解してくださると思います。

いわゆる普通の一般的な子どもではない場合、教育関係者や医療従事者からのプレッシャーのようなものが保護者に押し寄せることがあるからです。

夫婦の考えを一致させて心の準備

何があっても万全の体制で娘をフォローするために、夫は有給休暇をとって家族で健診に行くことにしました。

産まれた時から娘があまりに敏感であることでたくさん悩んできました。

でもやっとHSCを知ることができ、娘の気持ちに寄り添うことでしかこの子は幸せに育てられないという結論に達していました。

その時までに私たちが決めていたことを再確認しました。

再確認したこと

●母乳は娘がもういらないと言う時まで与える。
●幼稚園には行かない。
●どうしても嫌がることを無理にさせない。
●遅くても自分でやる気になるまで気長に待つ。

これは一般の子育て論からは遠く離れているかもしれません。

でも娘の親は私たちしかいないので、一般向けのアドバイスに左右されないことはとても大切なことだという結論に達していました。

娘の幸せのために自分たちはこうやって育てると決めたんだから、ここは自信を持っていこう。

一週間くらい前から夫婦でよく話し合い、軸をぶらさないようにしようと決意しました。

私はメンタルが弱く、たとえ的外れであったとしても、何かを言われるとすぐにひるんだり不安になったりしてしまいます。

そのため夫婦で考えを再確認し自信をつけておくという事は、本当にやってよかったと思っています。

夫は敏感な人ではありませんが、なんとか娘を理解しようとしてくれることに改めて感謝しました。

質問に答えない娘

娘は普段から、分かりきった質問にはほとんど答えてくれません。

私にはたくさんの質問をしてきますが、自分は聞かれても答えないのです。

たとえばウサギの絵を指さして「これなあに?」には絶対に答えません。

答えないだけでなく、場合によっては激怒します。

まるで「こんな分かりきったことを聞くなんて子ども扱いされているみたいでいやだ!」と言っているかのようです。

さて、健診には視力検査と保健師さんとのやりとりがあります。

質問に答えてくれないと成り立ちません。

視力検査で早くも号泣

視力検査は質問に答える答えない以前に、検査をする部屋に置いてある様々な器具を見て恐怖のどん底に落ちてしまいました。

ここでは泣くのをぐっとこらえましたが、検査の担当者が出した瞳を見るための棒の先にピカチュウが光っているのを見てついに泣き出した娘。

娘が泣いたことで慌てた担当者が次に出した棒の先には、光るバイキンマン。

残念ながらピカチュウもバイキンマンも怖い娘・・・

仕方ないです。そんなこと担当者には分かりようもないですもんね。

だれも悪くありません。

でもせめてキティーちゃんあたりを一本ご用意願いたい!

手のつけようがないほど泣いている娘は『検査不可のため再検査』と言われました。

イライラする検査担当者

私はここで、この担当者の女性(おそらく眼科医)が、娘が泣いていることにイライラしていることが分かりました。

何かを言われたわけではありませんが、明らかに態度が変わったのです。

私は「そりゃそうか」と思いながらも、すこし胸が痛くなりました。

保健師さんの問診

娘が嫌いな「これなあに?」「今日はだれと来たの?」という、見ればわかるでしょ系の質問や、「積み木を同じようにやってみて」という問題が出されると聞いていました。

相手が母なら激怒だけど、保健師さんには激怒だけはしないでね・・・と思っていました。

優しく柔軟な保健師さん

ネット情報などを見ると、結構厳しめの保健師さんに傷ついたという情報もあり、しっかりしてなきゃと緊張していました。

しかしラッキーなことに(?)、一目見て「優しそうな雰囲気だなぁ」という保健師さんが担当になってくれました。

私は少しほっとして「敏感で人見知りなんです」と前情報を入れさせてもらいました。

すると「分かりました。じゃあ娘さんとお話したいけど後にしましょうか?」

と言って、私との話を先にしてくれました。

こうした小さなさりげない気遣いが、敏感な親子を救うんだなぁと思います。

私とのやりとりで自分のことを話されていることが分かる娘。

でも朗らかで声のトーンが落ち着いている保健師さんに、にっこり微笑んだりうなずいたりしていました。

その人の持つ雰囲気や、声の調子や大きさで、安心もすれば不安にもなるHSCです。

さらに娘に無理に答えさせようとはしなかったのでご機嫌でした。

本当にありがたい対応をしていただきました。

優しくて柔軟な方でした。

小児科医の診察で大号泣

次に小児科医による診察がありました。

担当になった医師は、大きな声の年配の女性で娘が怖がるマスクをしていました。

これは大変かも・・・と覚悟しました。

裸になるのが嫌

診察の前に服を脱がなければなりません。

家以外の場所で裸にされるのが大嫌いで、家族以外の人に体を触られることも嫌がる娘。

でも裸になっても頑張って泣かないでいられたので、その場でたくさん褒めました。

抱っこじゃないのが怖い

3歳半健診ともなると、医師の前の丸椅子に子どもが一人で座るレイアウトになっていました。

これは不安が強い子にはハードル高すぎです。

せめて抱っこしていないと娘は不安で我を失う可能性があります。

でもここで「抱っこしていてもいいですか?」と言い出す余裕はありませんでした。

あれよあれよという間に座らされ、大きな声のマスク姿の医師にお腹をギューっと触られた瞬間、娘は我を失いました。

部屋にいる全員が「なにごとか?」と一斉に振り向くほどの大音量でギャーギャー泣き叫び、私に向かって手を広げて抱っこを要求します。

こうなると、抱っこしても止まりません。

今まで泣かないで我慢してきた、大勢の人、赤ちゃんの泣き声(当時は赤ちゃんの泣き声を恐怖に感じていました)、怖かった視力検査、大きな体重計に怖いけど乗せられたこと、裸にされたこと、大きな声のマスク姿のお医者さん、お腹を急に触られたこと・・・

これだけの要素があって限界に達したら、そりゃあ泣きます。

娘は安心できるまで1時間でも泣き続けられる子どもですから、とにかくずっと泣きます。

私たちから見たらごく当然の反応で、むしろここまでよく頑張った!と思っていたくらいです。

「社会性がない!」

健診会場にこんなに泣いている子どもは他にいませんでした。(歯科健診は除く)

医師は「3歳にしては情緒不安定で社会性がない」と言いました。

娘の非尋常な声量の泣き声にかき消され、医師は声を張り上げて話していたのですが私には聞こえず、正確なことはあとで夫に聞きました。

社会性がない・・・か。

怖いだけ、不安になっただけですが、確かに娘の声量はすごいですからね。

もっと集団に慣れさせるように、子ども同士で遊ぶようにとも言われました。

本当にそれが正解なんだと思います、私もその意見に賛同します、娘がHSCでなければ。

小さい頃から集団の中でたくさんのお友達とかかわれる子は、もともとここまで気質が敏感じゃない子がほとんどです。

娘は我慢して、限界まで我慢して、ついに堤防が決壊してしまったのです。

決壊した堤防を元通りにするには、我慢した時間と同じくらい、時にはそれ以上の時間がかかります。

医師は娘を知らない

そんな娘の気質を初対面の医師はまったく知らないので、一般的なアドバイスをするのは無理もないことです。

幼稚園にも行っていない、直前まで抱っこされている、めずらしく夫婦で健診に来ている。

そんなめずらしい家庭の子どもが、ただ医師に触られただけでこの世の終わりかのように泣いている。

育て方がアレなんじゃないの?甘やかしているんじゃないの?

そう思う人がいるのは現実なので、それを受け止めたうえでスルーすることにしました。

子どもの体や子育てについては詳しい専門家も、うちの娘の専門家ではないからです。

この子を守ろう

この健診を通して、娘を担当した方3人の3通りのパターンを見ることができました。

●子どもが泣き出すとイライラする人。

●嫌がることを無理にさせないで柔軟な対応をする人。

●子どもはこうでなきゃだめと指摘する人。

これから生きていく学校や社会には、もっといろいろなパターンの人がいて、もっといろいろな反応があるでしょう。

もちろん娘にぴったりの接し方をしてくれる方もいると思いますし、それはとても嬉しいことです。

でもそうでない時、親としてつらい気持ちになったり、胸が痛んだり、時に怒りを感じたりするかもしれません。

私があせって娘にプレッシャーをかけてしまう時も多々あると思います。

それでも、どんなに失敗しても傷ついても、大事なところでぶれないでいたいと思いました。