HSCの特徴

「HSC」の6つの特徴と対処法。その⑥良くも悪くも注目されやすい

今回は、ひといちばい敏感な子(HSC)が『良くも悪くも注目されやすい』ことについて取り上げます。

HSCには以下の6つの特徴があります。

①細かいことに気づく

②刺激を受けやすい

③強い感情に揺さぶられる

④他人の気持ちにとても敏感

⑤石橋をたたき過ぎる

⑥良くも悪くも、注目されやすい

良くも悪くも注目されやすい

HSC(Highly Sencitive Child)『ひといちばい敏感な子』は、人口の2割程度いると言われています。

2割というのは極端に少ないわけではありません。

単純計算ですが、クラスに30人いたら、5~6人はHSCということになるからです。

それでも、少数派であることに違いありません。

でも幼稚園も学校も職場も、社会全体は残り8割の圧倒的多数に合わせたシステムで動いています。

この中で少数派は目立ちます。

本人が目立とうとしていなくても、「人と違う」という事実は、良くも悪くも注目されます。

『細かいことを気にする神経質な子』

『確認しないと前へ進めない怖がりな子』

『終わった後でもあれこれ考えて引きずるタイプ』

などと、マイナス面が注目されることもあります。

しかし別の面から見ると、こうなります。

『細かいことにもよく気がつく優しい子』

『慎重に考えて物事を行う頭の良い子』

『終わってからもいろいろ考えるので、同じ失敗をしない賢い子』

どちらの面に注目されるかは、はっきり言って相手や状況次第です。

HSCなどの少数派は、どちらの評価も経験するでしょう。

でも少なくとも『家族は良い面を見て評価してくれている』ことを知っているHSCは、外でネガティブな面に注目されてつらい気持ちを経験したとしても、必ずまた自尊心を取り戻します。

対策①他の子と違う点から目を背けない

もし親が子どもの敏感さを恥ずかしく思っていたり、他の8割の子のような多数派になってほしいと思っているなら、人の気持ちに敏感なHSCはそんな親の気持ちを読み取り、自己肯定感が育まれにくくなってしまいます。

臨床心理学者のエレイン・N・アーロンは、著書『ひといちばい敏感な子』の中で、

「他とは違う子の親になるなら、他とは違う親になる覚悟がなくてはなりません」

と言っています。

私はこれを忘れてしまいがちなのですが、親が子どもの特異性を認めていると、子どもも自分を認めやすくなるのは当たり前のことですよね。

私自身かなり敏感な子どもだったのですが、個人的な経験からすると、以下のようなことが言えます。

子どもはいずれ、自分と周りの子の感じ方が違うことに気づきます。

その時に戸惑ったり、怒りを感じたり、自己肯定感を持てなくなるかもしれません。

でも『自分と他の子は感じ方が違う』という事実を知っていると、不必要に人のことを心配して心を痛める必要もなく、自分を保ちやすくなります。

私の場合、以下のようなことを早くから知っていれば、もう少し楽だったと思います。

●他の子は誰かが怒られていたり泣いているのを見ても、私ほどは心を痛めないこと。

●大きな音や怒鳴り声を聞いて驚いても、他の子はすぐに切り替えて忘れられること。

●自分が嫌なことが他の子も嫌とは限らない。

「あなたは人より敏感でね・・・」などと言いすぎる必要もありませんが、他の子と感じ方が違うということを本人が知っておくと、かなり対処しやすくなると思います。

対策②周りの人にどう説明するか

親自身が子どもの性質を理解して認め、子どもにも『他の子と違ってもおかしいことじゃない』と理解できるようにさせてあげると、敏感な子は自信を持つことができるということは分かりました。

でも他の人に『我が子が敏感』であることをどのように説明すべきかは、また別の難しさがあります。

これは説明する相手や状況によって、説明のしかたやどこまで深く話すかは変わってきます。

ただ一つどんな場合も共通して言えることは、『子どもの敏感さをネガティブな言葉で表現しない』ということです。

私は時々失敗しますが、そこに子どもがいて聞いている状況であればなおさら『うちの子は神経質で困る』などの発言は、幼児でもある程度言葉の意味を感じ取るようです。

その子がHSCなら、なおさらそう言えます。

敏感さの負の部分も含めて、先生や専門家など誰かにきちんと話す必要がある時は、なるべく子どもがいないところで話すのが得策です。

でも『敏感さ』は、『おおらかさ』とか『マイペース』などと同じ、生まれつきの人の性質の一つです。

特別に褒められることでも同情されるべきことでもないということは、他の人に知ってもらいたいですよね。

他とは違う親になる

「自分の子どもがいわゆる普通の子だったなら、こんなに大変な子育てを強いられずに済んだのに・・・」

夜も満足に眠かせてもらえず育児に疲れた私は、時々そんな風に考えることがありました。

あまりに手のかかる子を育てていると、普通の子を育てているママがうらやましくなって自信を失うので、ママ友に会うことすらつらくなってしまうかもしれません。

でも『他とは違う子』に向き合う親だけが知ることのできる喜びもたくさんあることに気づきました。

親子の絆が強くなる

他の子とは違って、対処しなければならない問題がたくさんあると、子どもの話を聞き、一緒に考え、よい方法を試し、ダメならもう一度一緒に考え、またよさそうな方法を試し・・・

そのように一緒に対処しようとしてくれる親を、子どもは信頼し最高の親だと感じます。

どんな時も自分の味方で理解しようと頑張ってくれる親がいるということを、本当に嬉しく思うのです。

これはそこまで手のかからない子の親にはなかなか感じられない、深い喜びです。

さらに子どもが苦手なことを克服した時の喜びは、もう言葉では言い表せません。

親も成長できる

HSCは物事を深く考え、他の子がスルーするようなことに疑問を持ち、たくさんのことを質問してくるかもしれません。

親は改めて外の世界や物事の内面に目を向け、子どもがいなければ考えなかったことも考えるようになります。

新鮮で広い視野を持った人にならせてくれるのです。

うちの娘は非常に敏感で神経質で、育てるには大変な部類に入ると思います。

HSCにありがちな癇癪や偏食や怖がり、何事にも取り組むまでに時間がかかるといった心配な面がたくさんあります。

それでもたった2、3歳の頃からよく自然を観察し、静かにじっと風を楽しみ、美しいものはどんなものでも愛で、綺麗な花びらを何日も大切に持っていたり(枯れて色が変わる様子も楽しみ)、小さなアリの食べ物を心配したり、丸い月が別の日には半分になったことを心から驚いたり喜んだりする姿に、人としてすでにいろいろなことを教えてもらっている気がします。

これから成長するにつれて、私自身が気づいてもいないもっと多くのことを気づかせてくれるでしょう。

便宜上の小さな嘘(半面の真実)などにも敏感で、やたらと問い詰めてくることもあります。

本当にイライラすることも、「もう無理!」と思うこともありますが、きっとこの子は私の人生に深みと味わいをもたらしてくれる子だと思っています。

前述のエレイン・N・アーロンは、『育てにくい子は、長い目で見れば心配のない子』と書いていますが、心配のない子どころか、親の人生を豊かにしてくれる素晴らしい贈り物なのかもしれません。

最後に

私にはHSCを立派に育てた友人がいます。(このブログの内容も、その友人から聞いたことがたくさん含まれています。)

発達障害の子を大切に育て、社会に役立つ子に成長させた人も知っています。

そのような一般的ではない子どもたちを育てた人はやはり、『良くも悪くも注目される』人生を送ってきたそうです。

でも本当の意味で強く、優しく、人を理解する力のある素敵な方ばかりです。

そして「この子を育てられて本当によかった」と振り返っています。

その子どもたちは(もう大人ですが)、優しくて純粋で話しやすい人たちです。

そんな風になれるのかと思うと、大変で投げ出したくなる子育ても、希望を持ってやっていこうと思えます。

あなたのお子さんも今は、『良くも悪くも注目されやすい』かもしれません。

でもきっと純粋で優しく、時に大人をハッとさせてくれるほどの美しい面があると思います。

そんな他の子にはないキラキラした面を大切にすれば、あとから振り返って「育ててよかった」と思える子育てができます。

その時まで私も『他とは違う親』になる覚悟を持ってやっていけたらと思います。