HSCの特徴

[HSC新生児の特徴]助産師もギブアップだった泣きすぎ赤ちゃんと、産後うつ予防対策

産まれたばかりの新生児の姿。私は以下のように想像していました。

  • 出産直後は「オギャーオギャー」
  • しばらくすると「スヤスヤ」
  • ミルク・母乳を欲しがると「オギャーオギャー」
  • オムツを替えてほしい時は「オギャーオギャー」
  • 気持ちよさそうに沐浴
  • 眠くなると「フンギャーフンギャー」
  • そして「スヤスヤ」
  • また「スヤスヤ」
  • さらに「スヤスヤ」

しかし実際には、すべての場面で「ギャンギャンギャンギャン!!!!」

やっと寝てくれたと思ったら、お皿をテーブルに置く「カタッ」という音で目を見開いて「ギャンギャンギャンギャン」

なぜ私は、赤ちゃんは寝るものだと思い込んでいたのだろう?

また「スヤスヤ」さらに「スヤスヤ」だなんて!!どこかの国のお姫様の話かな?

うちはね、お姫様じゃない。だから生まれた娘は一週間も経たないうちに、家族全員から「ギャング」というあだ名をつけられました。

この記事では新生児時代の娘の敏感っぷりと、母親である私のメンタルがやられないためにやったことを書こうと思います。

助産師も手を焼く新生児室で有名になった娘

大変だったのは出産直後からでした。

私が出産した病院は希望すれば母子同室も可能でしたが、特にこちらから何も言わなければ、一日数回の授乳時間以外は助産師さんが新生児室で赤ちゃんたちを見る病院でした。

だから私は産後の疲れた体を存分に癒やし、授乳タイムに新生児室にのこのこと出かけて行くだけでよかったのです。(これだけでも産後の体にはつらかったが、母子同室よりは休めたはず)

何をしても泣き止まない子

さて新生児室に入り、手を洗い、自分の赤ちゃんが寝ているベッドに近づいて顔を覗き込みます。

本当に私はこの子を産んだんだなぁ。なんだか不思議な気持ちになるなぁ。

「出産とは奇跡である」とはよく聞く言葉だけど、産んでみて初めて実感するなぁ。

そーっと抱き上げて腕の中に入れてみる。

なんか小さくてドキドキするな、この子は今どんな気持ちなんだろう・・・

助産師
助産師
「あねごんさん?ねえ、あなたがこの子のお母さん?」

出産という不思議で感動的な出来事に思いをはせていたので、助産師の大きな声にびっくりして危うく赤ちゃんを落とすところでした。

助産師
助産師
「この子ね、稀にみる手がかかる赤ちゃんだわ。夜中じゅうずーっと泣いてて何をしても泣き止まないの。ミルクをあげても抱っこしても何しても怒ったように泣いてたの。それもギャンギャンと!!」

夜勤担当だった助産師は、この手のかかる赤ちゃんのせいで他の業務ができなかったようでした。

真剣な表情で「あねごんさん、退院したらどうするの?サポートしてくれる人はいる?」と聞かれました。

私は実家に数週間お世話になることにしていたのでそれを伝えました。

助産師は明らかにほっとした顔をして「ああ、それなら少し安心した。だとしても大変だと思うけど」と言いました。

それから退院までの数日間、私の赤ちゃんは助産師泣かせとして有名になりました。

授乳時間に行くと必ず「よく泣いてた」「大きな声でずっと泣いてた」「この子は本当に大変だ」と言われまくりました。

すべてを感じて分かってる赤ちゃん

先ほどとは別の助産師が、私にオムツ替えと授乳指導をしていた時のこと。

「長年ここで赤ちゃんを見てるとね、たまに「この赤ちゃんはすべてを感じて分かってる」と思う子がいるの。まだ目も見えないのに、大勢の人の中でママが近づいてくると泣きやんだり逆に泣き出したり。ほんの少しの空気感と声のトーンに敏感に反応する赤ちゃんが年に何人かいるの」

私の赤ちゃんがまさにそれに当てはまり、「個人の経験による感想だから当てにならないかもしれないけどかなり敏感な子だと思う」と教えてくれました。

助産師
助産師
「この子にとってはすべてが泣きの理由になる、だからお母さんは自分のせいだとか、自分が頑張れば泣き止むなんて思ってはいけない」

この助産師の言葉が、その後退院して何ヶ月も続いた昼夜を問わない「泣かれ地獄」の時期も安心して過ごす力になりました。

娘は異常なのではなく、何かを感じたらすべてを泣くことで表現しているだけだと思えたからです。

子育て情報が役に立たない

新生児室にも年に何人かしかいない「レアな赤ちゃん」を授かり、泣いてばかりなことには動じなくなりましたが、次々に不安や心配な要素が私を襲いました。

出産前に聞いていた情報や、インターネットや育児書の一般的な情報がまったく当てはまらないのです。

一部を挙げるとこんな情報です。

泣かせておいても大丈夫?

よくこんな情報を見聞きします。

「赤ちゃんは泣くものだから、生理的な必要がなければある程度泣かせておいても大丈夫」

でも、うちの「レア赤ちゃん」は決して決して泣き止まないのです。

あきらめて泣き止むとか、泣き疲れて寝た、なんてことは実に一度もありませんでした。

新生児室では何をしても泣き止まないので、最後の方は放っておかれたそうですが、退院した時には泣き過ぎたせいで声がガラガラに枯れていました。

どんなにガラガラ声でも、ひたすら泣き続ける娘。

しかも声量が新生児とは思えないレベル。

どの赤ちゃんよりも断トツのデシベルで叫ぶように泣くので、放っておいたらこちらの鼓膜がやられるのが先か、近所に通報されるのが先か・・・

「ふんぎゃー」などという生易しい声ではなく、「サスペンス劇場」の殺人シーンに匹敵する叫び声が何時間も続くという状況でした。

いや~、すごい赤ちゃんを産んでしまった。

実の母親が「あなたもこんな感じだったわ」と言った時は、「どうもすみませんでした!」と土下座して謝りたい心境でした。

人見知りは生後数ヶ月から?

生後数ヶ月経ち、お母さんと他の人の違いなどいろいろ分かってくると始まる人見知り。

しかしうちの「レア赤ちゃん」は新生児期から母親と助産師を区別していたので、産まれた時から人見知りだったと言えるでしょう。

そんな赤ちゃん周りにいなくて、「うちの子大丈夫かな?」という心配と、「一日中抱っこしていないと泣く」という体の負担、さらに「私が他の人と話すこともできないほど泣く」という孤独感でつらい時期もありました。

でもなんとか耐えられたのは、「子育て以外の負担を排除」したからです。

産後うつ予防に全力を注ぐ

産後うつになって10年以上も苦しい思いをしている友人がいます。

そのため出産や子育ては、想像するほどキラキラしたものではないことは知っていました。

妊娠した時点で私も十分「産後うつ予備軍」だと、意識していました。

そこで出産前に夫と話し合い、産後は子育て以外の負担を私から徹底的に排除する策を講じました。

特に私は人に合うことによって疲れたり、精神的な負担を感じやすいので、「対人関係」でストレスのないように取り計らいました。

  • 入院中から生後一ヶ月までのお見舞いは、私が許可した人のみ。
  • 私が断るのは負担が大きいので、窓口対応はすべて夫がする。
  • 「一人になりたい時ははっきりそう言うかもしれないけど気分を害さないでほしい」と周りに言っておく。
  • 産後に生じる私のどんな感情も否定しないで聞いてほしい旨を夫に確約してもらう。

この対策の内容は人によって違うと思います。

私は誰かと話すより一人でいることが好きなので上記のようになりましたが、「赤ちゃんと二人きりで過ごす方が大変」「人に会うほうが気分転換になる」という方はそれを満たす解決策を計る必要があります。

「コミュニケーションを取れる大人と時間を過ごしたい」・・・それは人間としての普通の感覚で、赤ちゃんを愛せていないわけではありません。

どんな人の場合も、産後はとにかく子育て以外で、

自分が疲れること、嫌なこと、我慢と感じることはしない。

と決めて、それを周りにも宣言するくらいがちょうどいいです。

そう決めていてもやらざるを得ないこともあるので、決めていなかったらどんどん負担が追いかけてきてしまうからです。

うちはただでさえ大変手のかかる「レア赤ちゃん」だったので、この対策はやっておいて正解でした。

そうしないと、さすがにつらかったと思います。

産後うつ予防や対策は、母親のわがままではありません。

「心身ともに健康な状態で子どもを育てたい」という理由。自分のためでもありますが赤ちゃんのためでもあります。

子どもを育てるというのは、自分の体・心・時間・気力・自由が子どものものになること、時には基本的人権をも手放す必要があったりします。

そんなに多くのものを手放している人に、それ以上の負担は重すぎます。

産後のママのメンタル対策は、やりすぎなくらいがちょうどいいと私は思います。

「育てにくい子は心配のない子」

最後にHSCの概念を提唱したエレイン・アーロン著「ひといちばい敏感な子」より、引用したいと思います。

「育てにくい子は、長い目で見れば心配のない子です」

親が子どもの感情を受け入れ、そばにいて聞くようにすればするほど、幼い時は“問題”が多くなります。なぜなら子どもは、怒りや興奮、イライラした、傷ついた、怖かった、圧倒されたという感情を自由に表現してもいいと感じるからです。

《中略》

反対に子どもに寄り添うことの少ない親の場合、HSCは自分の感情を隠してしまいます。そうすると、その子は内にある感情をどう処理したらよいのか学べなくなってしまいます。もっと困難な状況になると、別の方法で感情を表に出してしまうこともあります。

ですから私は「自分の子どもが問題を起こしたことはない」という親の話を聞くと、心配になるのです。

エレイン・N・アーロン著「ひといちばい敏感な子」 P85~86より

HSCの赤ちゃん期は、手がかかって大変な場合が多いと思います。

でも「長い目で見れば心配のない子」です。

でも特にお母さんには負担がかかることが多いのも事実です。

周囲の理解も必要なのでなかなか難しいのですが 「子育て以外のストレス」をできるだけ減らして、心に疲れをためないようにしたいですね。