HSCの生活

集団行動が苦手なHSCの娘を幼稚園に行かせない選択をした理由

うちの娘は3歳です。

幼稚園に行っていたら年少さんの年です。

でも我が家では、幼稚園に行かせていません。

理由は、どう考えても絶対に無理なことが目に見えているからです。

「行かせてみないと分からない」とか、「行ってみてダメならやめればいい」などど、考える余裕もなく「無理だろうね・・・」となりました。

幼稚園に行けない理由

一定の年齢になったら幼稚園や小学校に通うのは当たり前で、それを疑うことさえしないで生活している私たちは、それができない子がいると心配になってしまいます。

ある程度同年齢の子たちと遊んで喧嘩して、人間関係を学んでいくものでしょう?
小学校に入学したら、みんなについていけないのでは?

善意から、そんな風に言われることもあるかもしれません。

でも、本当の意味で娘を理解している人なら、言わずとも分かってくれます。

『この子に幼稚園は向いていない』と。

集団行動がつらい

HSC(ひといちばい敏感な子)は、集団が苦手です。

人の多い場所にいることも、自分がその一員になることも苦痛です。

ただ、『みんなと同じことをしたくない』というだけではなく、やりたくもないことをやりたくもない時にやらなければならない、というある意味自分に嘘をついて行動することが、苦痛なのです。

HSCは人の気持ちに敏感で、自分に何が期待されているかを敏感に感じ取るので、やれと言われれば、その時は我慢してやるかもしれません。

ただ、極度の苦痛が伴います。

これは本人でないと分からないことかもしれません。

激辛カレー論

日本人にありがちな、『みんなができているんだから、あなたもできて当たり前』という論調を、個人的に『激辛カレー論』と呼んでいます。

激辛カレーをぺろりと食べられる人からすれば、甘口カレーも食べられない人がいるなんて信じられない!甘えている!というのと似ているからです。

辛いものが苦手な人にとっては、どれだけ『おいしいよ』『ほらみんな食べてるからあなたも大丈夫』『ゆくゆくはもっと激辛な料理を食べなきゃいけないんだから、今から練習しなさい』と言われても、無理なものは無理なのです。

持って生まれた味覚の違いです。

勧めてくれた人の気分を害さないために、頑張って食べるかもしれません。

勧めてくれた人に怒られないために、喉が焼けるように痛くても、泣きながら食べるかもしれません。

でも泣きながら食べているうちに慣れて、激辛カレーを美味しいと思うようになるでしょうか?

可能性は低いと思われます。

生まれつきの味覚が違うからです。

(※私が外国に住んでいた時の話が元になっています。ジャマイカ人とインド人の友人たちが『辛くないよ』と言いながら激辛カレーをもりもり食べていました。私は一口で超悶絶しました(^^;)

持って生まれた性質が敏感で、集団行動が苦手なタイプの子もいれば、みんなと同じ行動をしている方が安心、むしろ楽という子もいます。

生まれつきの感覚が違うからです。

どちらが良くも悪くもありません。

泣き声や大きな音に敏感

これはHSCあるあるだと思います。

特に先生が誰かを怒る声は、非常に苦痛です。

うちの娘は、子どもの大きな声や泣き声さえも怖がるので、子どもが多い休日のショッピングセンターに行かれない時期もあるくらいです。

いずれ我慢できるようになるかもしれませんが、今この子を幼稚園に行かせることは、激辛カレーを頭から浴びせるようなものだなと思っています。

根性論は必要?

実は私も敏感で怖がりな子どもでしたが、母親は「嫌なら無理しなくていいよ」と言って、何事も強制しませんでした。

この『自主性を重んじる』というのは、親にとってかなり勇気のいる選択だと思います。

『甘やかしていないだろうか?』『きちんと学校に行けるようになるだろうか?』と、責任感のある親ほど悩むと思います。

でも相手がHSCの場合、甘やかしではないとはっきり言えます。

『頑張ればできる』というのはある意味正しいです。

頑張ってやった結果、身も心もボロボロになって、修復に倍以上の時間がかかってしまいますが。

その修復に親や周りの人を巻き込んでくれるうちは、まだいいのかもしれません。

そのうち、自分は周囲の期待に応えられないと分かり、一人で悩みを抱え自己否定感でいっぱいになってしまうことも考えられます。

ですから少なくともHSCには、根性論は通用しません。

幼稚園は人生のオプション

敏感で怖がりで母親が大好きな幼児だった私は、幼稚園はつらかった思い出しかありません。

母は無理に通わせず、途中でやめさせてくれました。

周りの目を気にせず柔軟に育ててくれたことに、今でも感謝しています。

おかげで10年後、「私ね、幼稚園中退なんだ~!!」と友達に自慢気に言って、「おお!なんかカッコイイ!!」と言われるほど、自己肯定感抜群の中学生に育っていました。

幼稚園に行かないと小学校で困る?

幼稚園に行かずに小学校に入学して、困らなかったかと言われれば、最初はたしかに困ったこともありました。

小学校で困ったこと

● 整列に慣れていなくて誰の後ろだったか忘れる

● 「提出」などの難しい言葉を知らなかった

● 引っ込み思案がひどくて自己紹介の時も泣いてしまう

● 好き嫌いが多すぎて給食が苦痛

そういうことは確かにありました。

でもこれは私の場合、たとえ幼稚園に行ったとしてもそこまで変わらなかったかな?と思います。

ずっとお母さんのことを考えて、会いたい、幼稚園楽しくない、つらい、悲しいという気持ちと闘っていたので、いつも心ここにあらずだったからです。

上に書いた「学校でできなくて困ったスキル」的なことは、実はたいしたことではありませんでした。

1学期が終わるころには、困らないくらいにはできるようになりました。

本当に困ったのは、幼稚園に行っても行かなくても関係のないこと、つまり『集団行動』や『大きな声』が、ついに大人になるまで嫌だったということでした。

激辛カレーに慣れないのと同じように、いくら経験してもガチャガチャした環境には慣れませんでした。

慣れないのなら、娘が幼稚園に行く利点はないと思うに至りました。

人生の中で辛い時期が前倒しで早まり、長くなるだけだからです。

最後に

「ひといちばい敏感な子」を幼稚園に行かせるかどうかは、本当に悩みます。

この先娘が「やっぱり行きたい」と言えば、喜んで行かせるつもりです。

今のところ、我が家の選択は『幼稚園には行かない』というものですが、それぞれの家庭やお子さんのタイプや年齢によって、結論は様々だと思います。

楽しく幼稚園に通えれば、親子共々とても素敵な思い出になるでしょう。

もし通えなくても、他の子より長く親と共に過ごせた時間は、お子さんにとって財産になるでしょう。

どちらの選択をしたとしても、親がその選択に自信を持っていることはとても大切です。

私は、親が自分のことを認めてくれている、私のことを恥ずかしいと思っていない、という事実は、いつも本当に力になりました。

自分もそういう親になりたいと思っていましたが、現実はかなり難しいということを痛感しています。

どうしても他の子と比べてしまうので、まだまだ親として成長しなければいけないな・・・と思う、今日この頃です。

うちの子だけでなく、人より繊細で敏感なすべての子が、温かく素敵な幼児期を過ごせますように。